「レントゲン写真では骨しか見えないけど、靭帯や筋肉の状態はどうやって調べるの?」 「膝の痛みが続くけど、原因がわからない…」
そんな疑問を抱えている方はいませんか? 今回は、体の内部を詳細に映し出すことができる検査、MRIについてご紹介します。
MRIとは?
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像法)とは、強力な磁場と電波を使って、体内の状態を画像化する検査です。レントゲン検査では写らない、筋肉、靭帯、腱、軟骨、血管、神経、臓器など、様々な組織を鮮明に映し出すことができます。
なぜMRI検査が必要なの?
MRI検査は、様々な体の部位に用いられますが、整形外科領域では特に、
- 膝関節: 半月板損傷、前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷、靭帯損傷、軟骨損傷など
- 脊椎: 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腫瘍など
- 肩関節: 腱板断裂、肩関節周囲炎、脱臼など
- 手首・足首: 靭帯損傷、レントゲンで分からない骨折、腱鞘炎など
といった、レントゲンでは分かりにくい軟部組織の損傷や病気を診断するのに役立ちます。
スポーツによる怪我の診断にもMRIが大活躍!
スポーツ中に膝や肩、腰などを痛めた場合、MRI検査は非常に重要な役割を果たします。例えば、
- バスケットボールやサッカーなどのコンタクトスポーツで膝を捻ってしまった場合、半月板や靭帯が損傷している可能性があります。
- 野球やバレーボールのように、肩を酷使するスポーツでは、腱板断裂や肩関節唇損傷などが起こりやすくなります。
- ランニングやジャンプ動作が多いスポーツでは、アキレス腱断裂や靭帯損傷などが発生する可能性があります。
これらの怪我は、MRI検査によって正確に診断することができます。
MRI検査ってどんなことをするの?
- 検査着に着替えます: 金属製のものが付いた服は脱ぎ、アクセサリーや時計、補聴器なども外します。
- 検査台の上で横になります: 検査する部位によって、仰向けやうつ伏せなど体勢が変わります。
- 検査中は大きな音がします: 大きい音が断続的にしますが、痛みはありません。ヘッドホンや耳栓を提供しますので、不安な方は事前に確認しておきましょう。
- じっとしていなければなりません: 鮮明な画像を得るためには、体が動かないようにすることが重要です。
- 検査時間は30分程度です: 検査する部位や範囲によって異なります。
MRI検査のメリット・デメリット
メリット
- 放射線被ばくがない:レントゲン検査のように放射線を使わないので、妊婦の方や子供でも比較的安全に検査を受けられます。
- 身体の断面をあらゆる方向から見ることができる:縦、横、斜めなど、様々な角度から断面を画像化できるため、病状を詳しく把握できます。
- 骨だけでなく、筋肉、靭帯、血管、神経なども鮮明に映し出すことができる:レントゲン検査ではわからない、軟骨や神経などの異常も発見できます。
デメリット
- 検査時間が長い:レントゲン検査に比べて時間がかかります。
- 閉鎖空間である:トンネル状の機械に入るため、閉所恐怖症の方には負担が大きいかもしれません。
- 強い磁場が発生するため、ペースメーカーなどの医療機器を装着している方は検査を受けられない場合があります。
最後に
MRI検査は、体の内部を詳しく知ることができる非常に有用な検査です。「もしかして…」と思ったら、自己判断せず、医療機関を受診し、医師に相談してみましょう。
天白かんだ整形外科クリニック
日本整形外科学会 専門医
院長 神田 佳洋
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